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【グレイス病院】村田先生の小児科通信 第4回「百日咳とその予防について」

グレイス病院 (2025.04.22)

こんにちは、グレイス病院小児科の村田です。

すでにテレビなどでご存じの方も多いと思いますが、
現在、全国的に百日咳が流行しています。
日野市内でも3月頃から徐々に感染が増加しています。
百日咳は、初期診断が難しく、
特に生まれたばかりの赤ちゃんが感染すると命にかかわることもあるため、
予防接種をはじめとする対策がとても重要です。

今回は、百日咳とその予防についてご説明します。

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百日咳は、予防接種を受けていないと、赤ちゃんから大人まで感染する病気です。

初期症状は風邪とよく似ており、通常の風邪であれば1~2週間で咳は落ち着きますが、
百日咳ではその後も強い咳が続き、1~3か月続くこともあります。

大人や年長の子どもでは、
長引く咳風邪として済むことが多いですが(とはいえ、非常につらい症状です)、
生まれたばかりの赤ちゃんが感染すると、特徴的な咳がみられ、
呼吸停止・呼吸不全や脳症を起こすなど、重篤な状態になり命を落とすこともあります。

感染から発症までの潜伏期間は1~2週間と長く、しかも風邪と見分けがつきにくいため、
知らずに周囲へ広げてしまう点も厄介です。

治療には抗菌薬を使用しますが、咳がひどくなってからの服用では症状を軽減する効果は
あまり期待できません(ただし、他人への感染を防ぐ効果はあるため、治療は必要です)。
さらに、今年流行しているタイプは、従来の抗菌薬が効きにくいとも言われており、
より注意が必要です。

三種・四種・五種混合ワクチンには百日咳の成分が含まれており、
これらを3回以上接種していれば、乳児期はある程度安心できます。

ただし、ワクチンの効果は数年で弱まるため、1歳で接種を終えた場合、
保育園の年長くらいの年齢には効果が薄れてしまいます。

このため日本小児科学会では、年長児や小学校高学年の時期に三種混合ワクチンの追加接種を
推奨しています(高学年では、定期の二種混合の代わりに三種混合を接種します)。

追加接種は任意のため費用がかかりますが、ご本人の発症を防ぐだけでなく、
赤ちゃんへの感染リスクを減らすことにもつながります。
ご家庭に小さい赤ちゃんがいる、あるいは今後迎える予定のある方は、ぜひご検討ください。

なお、三種混合ワクチンは大人でも接種可能です。
不安な場合は、保護者の方の接種もご検討ください。

また、百日咳は風邪と同様、飛沫感染します。
予防接種に加え、咳があるときはマスクを着用し、手洗いをこまめに行うなど、
基本的な感染対策も忘れずに行いましょう。

接種価格(自費)
◇三種混合ワクチン ¥5,500(税込)
ご予約はナビダイヤル(0570-06-5489)より可能です。
お気軽にお問い合わせくださいませ。



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