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M・H様

グレイス病院 (2010.12.15)

主人との入院時の約束で、毎日面会に来てお昼ご飯を一緒に食べています。

【患者様プロフィール】
患者様:M・H様(男性・67歳)
入院日:平成20年11月10日
病名:多系統萎縮症(MSA)他

【ご家族】 M・C様(奥様)


Q 「グレイス病院」へ入院された経緯をお聞かせください。

主人はかつて大手ゼネコン会社で主に耐震設計の仕事に携わっていておりました。過去には原子力発電所の内部設計にも関わり忙しくしていたものです。また、学生時代にはサッカー部に所属するなど、もともと体を動かすことが好きな人でしたので、忙しい仕事の合間をぬって趣味であるテニスやゴルフなどに参加しており、ほとんど家におらず夫婦二人でゆっくり過ごすなんてほとんどありませんでした。(なかでもゴルフはベストスコア69とアマチュア外れの実力の持ち主だったそうです)

とにかく元気な頃は忙しくしていたことしか覚えがないくらい仕事と趣味に没頭していた主人ですが、次第に字が書きづらくなり、自慢の腕前であったゴルフの実力にも急に陰りが出始め、おかしいなと思っていたところ、地域の誕生日健診にて神経系の病気ではないかとの指摘を受けました。その後も体調がおもわしくなかったので都立病院への紹介を受けたところ、精密検査で神経系の難病だということが判明しました。

その時はとてもショックで、京王線の各駅停車で自宅最寄り駅の調布駅で下車できず八王子駅まで行って呆然としてしまったほどでした。前向きな気持ちを持つまでに確かに時間はかかりましたが、いつまでもこのままではいけないと気持ちを切り替え、今後は私が主人を支えようと決心いたしました。その後は、外来受診にて病気のフォローを続け、デイサービスや訪問介護サービスを受けながらの在宅介護を2年間続けておりました。その2年間は毎日不安な気持ちで、特に介護者が自分一人になる夜の時間帯の不安は人一倍でした。

その不安な気持ちでも挫けられないという気持ちで一日中目一杯介護をしていたのですが、やはり疲れてくるとだんだんやさしいことばかりも言っていられず、つい嫌なことを言ってしまう自分がいてその時は自分自身が嫌になってしまうこともあり悩みました。そんな時に主人が発熱し一時重篤な状態になり救急入院することになりました。発熱症状は治まったものの、もともとの神経系疾患に伴う自律神経障害から排尿困難となってきたこともあり、在宅介護生活は困難ではないかと主治医から説得され始めました

最初のうちは主人も私も当然のように在宅に戻ることしか考えていなかったため、在宅復帰の準備をしておりましたが、そのころから主人の日常生活の動作が著しく低下したことや私以外に介護者がいない現状から、在宅介護へ戻ることが不安に感じるようになり、入院した方がお互いのためにも良いのではないかと徐々に入院生活を考えることになりました。そんな中で主治医から勧められたのがグレイス病院でしたが当初は「見学だけ」という気持ちで来院したのがグレイス病院との出会いの始まりでした。


Q 見学時の印象はいかがでしたか?
当初は軽い気持ちで見学に訪れたのですが、院内に入ったときの第一印象は「ホテルみたい」だと思い、すごく清潔感があり、きれいで感激しました。これならきれい好きの主人も気に入るかもと思ったのを覚えております。さらに院内を見学させてもらったときの印象もスタッフのみなさんがとても明るく感じました。主人が気に入る条件として、きれいな病院であることやスタッフさんともにとても良い雰囲気だと思いました。


Q 入院を決める際のご主人の反応はいかがでしたか?
そんな好印象でグレイス病院を後にし、主人に入院の話をしたところ、「どうして別々に暮らさなきゃいけないの」と主人はあくまで在宅復帰を希望したのです。ただ、家族のない私は今の主人を一人で介護して行くにはまた不安な気持ちをもってしまい、また嫌なことを言ってしまうかもしれないと思ったのである提案をしてみました。「毎日面会に来てお昼を一緒に食べるから、ここを我が家だと思わせていただきましょうよ」と。そこで主人も分かってくれて入院することになったのです。その約束もあり、私は入院後一日も休まず面会にきて、この眺めと景色の良い4階談話室で毎日主人と一緒に昼食をとっております

Q 当院に入院されて現在はどのようなお気持ちですか?
あのとき、在宅へ戻っていれば、きっと私が潰れてしまっていたのではないかと思っています。そんなことになったら双方にとって寂しい経過になっていたのではないかと思います。病院に入院していることで全身状態の管理もお任せできて安心しておりますし、雰囲気の良い談話室で、毎日夫婦で食事を共にさせていただき、かつて忙しすぎて夫婦二人で過ごすことが少なかった私たちにとっては、穏やかな時間を取り戻しているようにさえ感じます。「毎日面会に来てお昼を一緒に食べるから」という主人との約束を守るため、私も風邪ひとつひくわけにいきません。入院して約1年経ちましたが、今のところ皆勤賞です。これからも続けていこうと思っております。


Q 当院のスタッフに対してどのような印象をお持ちですか?
毎日来ていることもありスタッフさんから良く声をかけられ、コミュニケーションが取れております。最初は主人も馴染めずにいたのですが、今ではすっかり病院やスタッフさんにも慣れた様子で信頼関係も築けているようです。うちは家族が少ないので見舞いに来てみなさんに会うとホッとしているくらいです。それに私は家に帰れば一人ですが主人はスタッフさんたちといろいろやりとりできてむしろうらやましく感じています。


Q 病院の食事はいかがですか?
管理栄養士の方が毎日談話室に見にきてくれて安心しております。主人はミキサー食をいただいておりますが、彩りなんかすごくきれいに感じております。ただやはり病院食だからでしょうか、味付けが薄味傾向で多少物足りないと感じている様子ですが、そんな時は、「お薬だと思っていただきましょうよ」と主人と話していただいております。

奥様は他の面会のご家族や患者様ともコミュニケーションを取られていて、特に声楽家であることから談話室で歌声を披露されているのを拝見しています。当院の特徴として長期入院になるケースが多いので、ご家族の関わりは一般急性期の病院と比べるとかなり濃密になると思います。奥様には今後もっと多くの患者様に対して歌声を披露していただくこともあるかと思いますのでその際はご協力お願いいたします。
皆様が少しでも癒されればと思い曜日を決めて童謡など歌っております(笑)。中には聞いているだけで血行が良くなったとか言っていただける人もいて、週に2日程は皆様と楽しく過ごさせていただいております。他の患者さんも気に入って良かったなんて言っていただいているので、喜んでお引き受けしますよ。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


<インタビュアー後記>
入院時の約束とはいえ、毎日面会に来て食事を共にすることを一度も休むことなく続けておられることに夫婦の絆の強さを感じ、心温まるお話を伺うことができました。 M・H様の奥様、インタビューに快く応じていただきまして本当にありがとうございました。

以 上


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